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コラム

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「群体性事件」の発生メカニズム―「圧力型体制」の視点から


角崎信也(日本国際問題研究所研究員)



1.烏坎事件

2011年12月、広東省汕尾市所管の陸豊市(県級市)の漁村、烏坎村で大規模な大衆抗議が発生していることをイギリスのBBCなどが報じた。陸豊市といえば、1927年に第一次国共合作が崩壊し武装蜂起路線に転じたばかりの中国共産党が農民蜂起を組織して打ち立てた海陸豊ソヴィエトが所在したところであり、共産党にとってはいわば革命の聖地のひとつである。そうした地域において発生した大規模な抗議運動は、改革開放以来の経済発展路線が一方で拡大させてきた社会矛盾を象徴するかのようであり、内外の広い関心を呼んだ。

烏坎村において最初の抗議運動が発生したのは2011年9月21日のことである。長年権力を保持してきた村の党・政府幹部が村民となんら相談することなくその農地を収用し、かつ土地を失うことになった村民に対し十分な補償を与えなかったことが抗議の直接の原因であった。

村民たちは村幹部の行為について上級政府に対したびたび陳情を試みたが、彼らが期待した対応は得られそうになかった。そうした中、9月21日午後、村民は村およびその周辺において党・政府の事務所や公安派出所を取り囲むなどの抗議活動を開始し、翌日までの間に数千人 (1)の村民と政府・公安を巻き込んだ衝突事件に発展した。事件の長期化と拡大を恐れた汕尾市政府は村民に対し村幹部の違法行為を調査することを約束し、これにより事件はいったん鎮静化する (2)

だが12月になって事件はさらにエスカレートした形で再燃することになる。きっかけは、公安部門が抗議活動の主導者であった薛錦波ら5名を突如拘束したこと、およびその3日後に拘束中の薛錦波が死亡したことであった (3)。当局は拡大する抗議活動に対し村の食料、水、電気を封鎖する等によって抑圧を強化したが、硬く団結した村民は投降の構えを見せなかった。そうした状況が海外メディアでたびたび取り上げられる中、介入を余儀なくされた中央および省の党・政府は12月20日に省党委員会副書記兼中央紀律委員会委員である朱明国を現地に派遣し、村民の訴えを最大限の努力によってできるだけ早期に解決することを約束した。これにより事件はようやく収束に向かうことになる (4)


2.現代中国農村における「群体性事件」

烏坎村の事例は、抗議グループのリーダーが逃げ出した村幹部に代わり独自に自治組織を打ち立てたことや、村民が強い団結心を示し決然として抵抗を続けたことに特殊性を見出すことができるとはいえ (5)、土地収用をめぐる集団抗議事件という点で見れば、現在の中国において決して珍しい事件ではない。

中国において、民衆が政府や企業の管理者を対象として起こす違法性の明らかな集合行為のことを「群体性事件」という。オフィシャルな統計によれば、「群体性事件」は1993年の1万件から2003年には約6万件、2005年には約8万7000件まで増大し、その参加者は1993年の73万人から2004年までに376万人に増加したとされる。ここ数年は具体的な統計数字が示されていないが、依然として増加傾向にあることは公的に認められている (6)。このうち県レベルや郷鎮、村レベルの地方幹部(本コラムで以降「地方幹部」という場合この県、郷鎮、村レベルの幹部のことを指す)による土地収用は「群体性事件」の主要な発生因の一つであり、農村における (7)事件の約65%を占めている(2009年時点) (8)

多くの地方幹部は、地域開発に必要な土地と財源を確保する目的で土地収用を実行している。烏坎村の場合も、村幹部は、収用した土地を開発業者に売却し、個人的な利得を得るのと同時に当地の総生産力を向上させることを目指していた (9)

だがむろん、農地の収用に当たってはその使用権を有する農民の同意と適切な補償を確保せねばならず、強制的な行政執行は違法である。中央は一貫して、農民と相談し、農民の権益を保護した上で農地の収用を行うべきであることを下級幹部に説いてきた。農民の農地使用権を明確化した「物権法」(2007年制定)は、中央のそうした方針を法制化したものに他ならない。ではなぜ地方幹部は、そうした中央の方針を事実上無視してまで土地収用を実行するのだろうか。 

こうした問題の原因は、中国のトップリーダーたちが言うように、確かに末端レベル幹部の能力や姿勢に求めることもできよう。だがより構造的にみれば、そうした幹部の行動の源泉は、中国における官僚制の運営システム、とりわけ「圧力型体制」と呼ばれるものの中にあるといえる。

以下では、この「圧力型体制」が地方幹部を標的とした「群体性事件」を引き起こすメカニズムを、既存研究を参照しつつ議論してみたい (10)


3.「圧力型体制」とその効能

「圧力型体制」という言葉は栄敬本らが1998年に発表した著書に由来する。栄によれば「圧力型体制」とは、上級から付された任務の達成程度を幹部任用にかかわる行政業績評価の指標とすることによって、下級幹部にその任務の遂行を事実上強制するシステムのことである。圧力型体制の中核は「職位目標(管理)責任制(岗位目标(管理)责任制)」(以降「責任制」と略記する)と呼ばれる人事考課制度である (11)。その特徴の第一は、割り当てられた任務の達成程度がすべて数値化され、「点数」として明示化されるということである (12)。主要任務には、総生産量(GDP)、財政収入、企業誘致、計画生育(一人っ子政策)、社会安定等々があるが、それらの点数の合計が「政積(行政業績)」として上級の組織部門に送られ、これに基づきその幹部の賞罰ないし任用が決定される。それゆえに幹部は、昇進ないし権力(=利権)の保持を望む限りにおいて、「政積」を上げることに躍起にならざるを得ない。

もう一つ重要な特徴は、いくつかの任務については「一票否決」の方式が採用されているということである。「一票否決」とは、その項目の任務が指標に到達しなければ、その年の他の「政積」のすべてが無に帰す(つまり0点になる)という意味である。農村幹部の場合通常、「一票否決」の対象となる任務は計画生育と社会安定である。ここでいう安定とはつまり、「群体性事件」と北京への「上訪」(陳情)を発生させないことである (13)

こうした制度が採用された目的は、幹部の評価基準を「科学」化することで能力主義による幹部任用・昇進を可能にすると同時に、共通のイデオロギーに基づく紐帯が弛緩する中で、下級幹部に上級の命令を確実に実行させるための保証を得ることにあったといえる。事実として制度は、担当地域の経済発展に対する幹部のインセンティブを高めることにより、中国全体の経済成長に大きな作用を発揮してきた (14)。また、各幹部の上級幹部に対する依存度を高めることにより、地方保護主義の台頭を効果的に抑制してきたといえる。そうした意味において「圧力型体制」は、中国の経済成長および体制維持にとって不可欠の役割を果たしてきたと言えよう。


4.「群体性事件」発生のメカニズム

だが多くの識者が指摘している通り、この「圧力型体制」が民衆の不満を引き起こし、ひいては「群体性事件」を発生させる大きな要因となってきた。地方幹部による農地の収用が彼らの地域開発に対する高いインセンティブに関連していることは上述したが、それは地域開発が「圧力型体制」下において幹部の評価を決定づける重要な任務として位置づけられているからに他ならない。

そうした地域開発「圧力」は中央の政策の一部でもある。中央は農村に堆積する過剰労働力の問題を大都市への人口の過剰集中を抑制しつつ解決すべく、郊外の都市化(小城鎮建設)を1990年代より積極的に推進してきた。また近年では内需牽引型の経済構造への転換を進めるための主要な動力としても重視されている (15)。こうしたマクロな政策方針が、地域開発が重要任務化し、土地収用が促進されることの重要な背景を成している (16)。その一方で中央は、土地使用権を含む民衆の諸権益に配慮したうえで政策を執行すべきことが原則であることを再三明示してきた。すなわち、地域開発という任務は、あくまで民衆の生活環境や諸権益を害しないやり方ないしプロセスで実行されなければならないとされているのである (17)

それにもかかわらず多くの地方幹部は、プロセス上の諸原則と地域開発任務の両方を達成しようとするよりは、後者の方をとくに選択的に執行しようと行動している。

この問題を説明するには、以下の二つの観点からさらに議論を深める必要がある。


(1)割当任務と財政能力との間の矛盾

第一に指摘しておきたいことは、地方幹部に割り当てられる任務、とくに地域開発任務と彼らが持つ財政能力との間には決定的な矛盾が存在しているということである (18)

言うまでもなく、都市化推進任務を達成するためには開発を実施するに足る財源と土地が不可欠である。だが(とりわけ分税制の導入と農業税の廃止によって)地方政府は積極的な財政運営を可能にするだけの財政能力を有しておらず、それどころか職員の給料を賄うことにさえ四苦八苦しているという状況にある (19)。そうした財政的困窮は、上意下達の「圧力型体制」下において決定される任務の割り当てには反映されない (20)。その結果として地方幹部は、任務と自身の財政能力の間に存在する大きな矛盾に直面することになる。

地方幹部にさらなる「圧力」を加重するのは時間的制約である。「責任制」において定められる任務の多くは、年末に行われる年次査定より前に達成しておかなければならないものである。昇進を望む多くの地方幹部は、限られた時間の中でほかの幹部よりも卓越した成果を上級幹部に対して示さねばならない。

こうした状況下において、開発任務と財政能力の矛盾を早急に克服するための唯一の方法は、農民からの調達を強化することによって予算外収入を多く獲得することであるといえる。こうして、多くの地方幹部にとって地域開発任務と民衆の権益に関わる諸原則は、地方幹部にとっては実際上二者択一の問題となる。

自身の昇進に関心のある幹部による選択の大半は前者であった。少し前まで各地の農村で発生していた税費負担をめぐる争議は、地方政府が、とりわけ「分税制」以後不足した財源を、農業税徴収の強化とその他様々な名目による手数料・罰金等の徴収によって補おうとしたことに起因していた (21)。中央はこれに農業税全廃を以て対処したわけだが、それは地方政府の任務と財力の間の矛盾という根源的問題を解決したわけではなく、むしろ深刻化させたといえる。中央の指導にもかかわらず地方政府が違法な土地収用を繰り返すのは、開発を実施するための土地を確保する必要のほか、農業税廃止によってさらに減少した財源を、収用した土地を開発業者に売却することで確保しようとするからである (22)


(2)プロセスよりも結果重視

では、経済発展が「圧力」として作用する一方、農民の権益保護が「圧力」として作用しないのはなぜか。それは、業績そのものである前者に対して、後者は業績達成のプロセスに関連するものであるがゆえに、「責任制」の中で数値化し、評価対象とすることが事実上困難であるということに関連している (23)。多くの地方幹部は、生産量の増大および大規模プロジェクトの実行を、上級に自身の「政積」をアピールするために最も確実で判り易い方法とみなしている (24)。それは、地域開発が重要任務として位置づけられているからだけでなく、その成果が地域の「GDP」上昇率や財政収入増加率などの明確な数字として表れることになるため、各幹部の「政積」を比較する際の指標となりやすいからである (25)

むろん、民衆に対する説明や説得というプロセスを経ずに強制的な行政執行を行うことは、「一票否決」に該当する北京への「上訪」や「群体性事件」を発生させるリスクを伴う。だが逆に言えば、北京への「上訪」や「群体性事件」さえ発生させなければ、開発や費用徴収のプロセスにおいて何を行っても「政積」には響かない。実際上級幹部は、そうした事件が発生しない限り、たとえ下級の幹部が暴力的手段を採用していることを認識していたとしても、これを事実上黙認するのが常である (26)

こうした状況は多くの地方幹部をして、経済発展という結果のみに関心を集中させ、一方でそれを如何に行うかというプロセスを等閑に付すことを可能にしている (27)。それは明らかに、「責任制」における厳格な数値化がもたらしている帰結であるといえる。


おわりに

中央の打ち出す政策方針は常に「大衆のため」のものである。税費負担の軽減であれ、農地使用権の保護であれ、「小城鎮」建設の推進であれ、すべて民衆の生活状況の改善のための政策とみなしうるし、実際多くの農民はそのようにみている。だが地方幹部からすれば中央の政策は極めて両義的なものである。近代国家が、その財政的需要の大きさゆえに多額の租税を徴収する「租税国家」としての性質を備えるものであるとすれば (28)、「開発政策を推進しつつ、その一方で農民の税費負担を減らすべき」という中央の要求は明らかにその原理に反しており、地方幹部からすれば非現実的である。実際には、農民権益の保護か、開発政策の推進かの二者択一を迫られることになる。そして、厳格に数値化された人事考課制度下において地方幹部の多くは、中央の示す原則に「反した」政策執行方式を合理的に選択することになる。

そうした政策執行が保身ないし地位向上を目指した地方幹部の意思に基づく「選択」である限りにおいて、その責任は中央ではなく地方政府ないし地方幹部個人に帰されることになる。かつてウィーヴァ-(R. Kent Weaver)は、「決定権を小さくすることがすなわち『責任転嫁』の方法である」 (29)と書いている。どこまで意図的にそうしているかは議論の余地があるだろうが、少なくとも結果的には、中央は民衆に歓迎されやすい政策方針を示すことのみに特化し、実際に民衆と軋轢を起こしかねない政策執行にかかわる決定権を地方幹部に委ねることによって、体制そのものに批判が向けられることを構造的に回避している。そうである限りにおいて、地方政府に対する民衆の不満が体制そのものの批判に転化する可能性は小さいといえよう。

とはいえ、外側から分析的にみれば、「群体性事件」の発生因が地方政府や地方幹部個人の資質にあるのではなく、中国における官僚制全体の運営システムにあるということは明らかである。村や郷鎮レベルのみを対象に幹部の入れ替えや行政の見直しが行われたところで、問題の根本的な解決にはならない。地域社会の実情とは無関係に割り当てられる開発任務と、「圧力型体制」の中で自身の昇進を目的合理的に追及する幹部が存在する限りにおいて、同様の問題が発生する可能性は常に存在する。村幹部の民主選挙、民主管理を強化することは重要だが、それは問題を根源から除去する方法ではないということである。

ただし、中央はたとえ「圧力型体制」が引き起こす問題を理解していたとしても、これを完全に取り除こうとはしないだろう。前述のとおり「圧力型体制」は、一方で地方の経済発展と党の一体性を保持する上で重要な役割を担っているからである。つまり、体制の安定と「群体性事件」の発生は、素因を一部で共有しているということである。





(1) 『旬刊 中国内外動向』2011年第35巻第19号(No. 1127)、9頁。

(2) 「広東汕尾通報陸豊群体事件境外勢力推波助瀾」『新華網青海頻道』(2011年12月10日)http://www.qh.xinhuanet.com/2011-12/10/content_24308015_1.htm (アクセス:2012年1月6日)

(3) Michael Bristow, “China Protest Worsens in Guangdong after Village Death,” BBC News China (December 14, 2011) http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-china-16173768 (アクセス:2012年1月6日)

(4) 「広東省工作組進駐陸豊解决烏坎事件」『新華網広東頻道』(2011年12月21日)
http://www.gd.xinhuanet.com/newscenter/2011-12/21/content_24377863.htm (アクセス:2012年1月6日)。この後、村民の意向が汲まれ、争議のリーダーの一人であった林祖鑾が新たな党支部書記に任命された。『朝日新聞』(2012年1月17日)。 

(5) 集合行為の成立可能性と持続可能性は、その社会の持つ動員構造に深く関連している(シドニー・タロー『社会運動の力―集合行為の比較社会学』(大畑裕嗣監訳)彩流社、2006年、53-55頁)。各家庭ないし個々人への原子化進んでいる村より社会的ネットワークの強い(あるいはソーシャル・キャピタルの豊富な)村の方が集合行為を成功させやすいことは言うまでもない。この点から言えば、烏坎村がもともとコミュニティとしての凝集性がとりわけ高い村として知られていた(Choi Chi-yuk, “Rioting in model village attests to graft woes,” South China Morning Post (October 7, 2011) http://topics.scmp.com/news/china-news-watch/article/Rioting-in-model-village-attests-to-graft-woes (アクセス:2012年1月6日))ことは重要である。中国の(とりわけ華北の)村落が一般に共同体的機制が働きにくいとされていることから見れば、烏坎村の示した決然性と持続性はやや特殊な事例であるといえる。

(6) 「不断提高正確処理人民内部矛盾的能力和水平」『人民日報』2011年2月23日。なお、左の記事を見つける過程では佐々木智弘氏の旧ブログ(上海で「中国新政治を読む」)を参照した。http://blog.livedoor.jp/sasashanghai/archives/65665332.html (アクセス:2012年1月6日)

(7) 2005年の段階では、「群体性事件」の約7割が農村を発生源としているとされていた(China Daily, August 22, 2005.)。ただし近年では賃金の引き上げを求める都市労働者(農民工)によるストライキ、環境汚染に反対する都市住民のデモンストレーションなどが増加し、事件はその発生因も抗議主体も多様化の傾向を示している。

(8) 于建嶸『底層立場』上海三聯書店、2011年、45頁。

(9) Peter Mattis, “Wukan Uprising Highlights Dilemmas of Preserving Stability,” China Brief, Vol. 11, Issue 23 (December 20, 2011). http://www.jamestown.org/single/?no_cache=1&tx_ttnews%5Btt_news%5D=38809&tx_ttnews%5BbackPid%5D=517 (アクセス:2012年1月6日)

(10) 本コラムではもっぱら「群体性事件」の直接的な原因を作り出す幹部の行動原理に着目するが、言うまでもなくその「発生メカニズム」の総体を理解するためには、それを発動する民衆や社会の側を合わせて分析する必要がある。後者の分析対象には、民衆の不満の原因、不満を集約するリーダーの役割、集合行為を可能にする社会的ネットワーク(動員構造)の源泉、および集合行為を行うリスクを減少させる「政治的機会」の存在等々が含まれるだろう。これらに関する詳細な分析は別稿に譲らざるを得ないが、さしあたり有用な文献としてKevin J. O'Brien ed., Popular Protest in China (Cambridge: Harvard University Press, 2008)を参照されたい。

(11) 栄敬本他著『従圧力型体制向民主合作体制的転変:県郷両級政治体制改革』中央編訳出版社、1998年、28頁。

(12) O’Brien and Li, “Selective Policy Implementation in Rural China,” p.172.

(13) 応星「承認的政治」『南風窓』2007年10月下、68-69頁

(14) 栄敬本、前掲書、30-31、35-40、53頁。

(15) 2010年の最初に中共中央が発表した最初の指示、いわゆる「一号文件」において「都市化(城鎮化)」の推進が大きく取り上げられた。また『求是』(2012年第4期)に発表された李克強副総理の論文では「内需拡大の最大の潜在力は都市化(城鎮化)にある」と論じられている。『旬刊 中国内外動向』2010年第34巻第5号(No. 1080)、2-8頁。李克強「在改革開放進程中深入実施拡大内需戦略」『求是』2012年第4期http://www.qstheory.cn/zxdk/2012/201204/201202/t20120213_138404.htm (アクセス:2012年2月16日)。

(16) 于建嶸、前掲書、29-30頁。

(17) 上記した李克強の論文では、都市化は「農民の意思を十分に尊重し、農民の権益を適切に保護し、耕地を厳格に保護しなければならない」ことが付言されている。李克強、前掲論文。

(18) この問題については、田原史起「中国農村政治の構図―農村リーダーからみた中央・地方・農民」『現代中国研究』第19号(2006年)をあわせて参照されたい。

(19) 于建嶸、前掲書、207-208頁。

(20) 周慶智『中国県級行政結構及其運行-対W県的社会学考察』貴州人民出版社、126頁。

(21) Thomas P. Bernstein & Xiaobo Liu, Taxation without Representation in Contemporary Rural China (New York: Cambridge University Press, 2003), Chap. 4.

(22) Graeme Smith, “Political Machinations in a Rural County,” The China Journal, No. 62 (July, 2009), p. 56. 于建嶸、前掲書、122頁。

(23) O’Brien and Li, “Selective Policy Implementation in Rural China,” pp. 172-174.

(24) Ibid., p. 175.

(25) この点に関連して、2月17日付の『人民日報』の記事は興味深い。同記事は、2011年10月の第17期6中全会以来重視されている「文化建設」が何人かの幹部によって十分に重視されないのは、これが「『経済建設』に比べて実際的でなく、『政積』を突出させられない」からであるとの意見や、幹部の文化建設における考課と監督を強化するため、「成績管理考課の中に、指標の明確な、査定が客観的な『文化GDP』パラメーターを加えてはどうか」などのインターネット上の議論を紹介している。『人民日報』2012年2月17日。

(26) 于建嶸、前掲書、128-129頁。

(27) Smith, “Political Machinations in a Rural County,” p. 59.

(28) シュムペーター『租税国家の危機』(木村元一・小谷義次訳)、岩波書店(岩波文庫)、1983年。

(29) R. Kent Weaver, “The Politics of Blame Avoidance”, Journal of Public Policy, Vol. 6, No. 4 (1986), p. 393.


(2012-02-22)

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