日本国際問題研究所 | コラム

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日・マレーシア海洋安全保障協力会議・実施報告


花田龍亮(日本国際問題研究所研究員)


日時 2017年7月18日
[english]


 日・マレーシア海洋安全保障協力会議の初会合が、2017年7月18日、日本国際問題研究所にて開催されました。本会議は、日本とマレーシアの海洋安全保障協力に関して、トラック2の立場から闊達に議論することを目的として、マレーシア海洋政策研究所(MIMA)と日本国際問題研究所(JIIA)が共催したものです(後援:日本国外務省、在マレーシア日本大使館、マレーシア外務省)。

 マレーシアからは、MIMAのTan Sri Dato’ Seri Ahmad Ramli Hj. Mohd Nor(退役海将)・MIMA理事長を団長に、MIMAの幹部・研究員の他、マレーシア外務省、海事局、海軍、海上法令執行庁などから計11名が訪日し、日本側の野上義二・JIIA理事長をはじめ、有識者、政府関係者と意見交換を行いました。また、ベトナム、シンガポール、フィリピン、インドから有識者が出席し、報告しました。
 
 会議では、(1) インド太平洋地域における安全保障問題、(2)海上安全保障に向けた地域協力、(3) 国際公共財維持にむけた法の支配の確立、の課題について各セッションで議論が行われました。会議を通じて、中国による南シナ海の埋め立てを含む海洋進出について、多くの時間が割かれ、日・マレーシアそれぞれの見解、立場について、活発に意見交換がなされました。

 議論を通じて、ルールに基づく地域秩序や、海洋における地域協力、国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく各国の権利、2016年7月の南シナ海にかかる仲裁判断の重要性について共通認識が確認された一方、これらを維持、促進する具体的な方策については意見の相違もみられました。例えば、南シナ海の問題について「静かな外交(quiet diplomacy )」の美徳を説くマレーシア側に対し、日本側からは、東南アジア諸国が、自らを小国とし、その役割や影響力を過小評価する意識から脱すること、ルールに基づく地域秩序の維持に対して積極的に貢献することを期待する発言がなされました。

 会議の結びとして、両シンクタンクの代表により、日・マレーシアを代表するシンクタンクの間で、こうした自由闊達な議論が行われたことを歓迎し、今後も対話を継続することで一致しました。

(2017-07-26)

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