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本書は「政治的インフラストラクチャー」(political infrastructure)の分析を通じてアメリカ政治全体の理解を深めることを目指すものである。 政治的インフラストラクチャーとは直近の選挙や政治過程において影響力を発揮するだけでなく、中長期的かつより一般的な政治的影響力の増進を目的として、特定の政治勢力あるいは特定の政策専門家集団が構築・利用する団体や組織、制度のことである。アメリカ政治において中長期的に民主党と共和党、あるいは民主党リベラル派、同党穏健派、共和党保守派、リバタリアン(完全自由主義者)系など、どの政治勢力が大きな影響力をもつかは政治的インフラストラクチャーの強さによって、かなりの程度左右される。ゆえに、内政・外交を含め、アメリカの政治の全体像を把握・理解するために政治的インフラストラクチャーの機能とその重要性について十分理解しておくことが必要である。 わが国では政治的インフラストラクチャーという言葉はあまり馴染みがないが、本書の分析を通じてアメリカ政治全体の理解を深めるとともに、本書の分析が日本政治の現状と課題を見直す一助となれば幸いである。
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アメリカ外交は、介入と孤立の間で激しく揺れる。その振幅は、国際事象に対する反応であると同時に、国内の政治力学の反映でもある。9・11テロ攻撃後、アメリカ外交は大きく介入の方向に舵を切った。しかし、イラク情勢が混迷の度合いを深める中、いまや孤立主義的な機運が再び高まりつつある。 本書は、このように時として大きく揺れるアメリカ外交を理解するために、ある特定の地域やイッシューを切り口にして分析するのではなく、それを方向づける国内的な要因に着目した。無論、両者は連動しているが、後者の視点に立った体系的な分析は意外になされていない。本書では、政策レベルでアメリカ外交に影響を及ぼしうるグループを介入と孤立を両極とする線上に位置づけ、その思想、人的ネットワーク、そしてそのグループを支える組織を特定することを通じて、迷宮のようなアメリカ国内政治が外交政策にいかなる影響を及ぼすのかを明らかにすることを試みた。 本書は、『G・W・ブッシュ政権とアメリカの保守勢力-共和党の分析』(2003年)、『米国民主党-2008年政権奪回への課題』(2005年)に続くJIIAアメリカ研究プロジェクト第3弾の成果である。
アメリカではすでに2008年の大統領選挙に向けた動きが水面下で始まっている。米国政治における保守派の台頭を受けて、民主党はいかに戦略を練り直していくのか。本書はこうした問題意識に立って、まず、民主党が2004年選挙に向けて作り上げた態勢と用意した政策、選挙戦の戦い方、敗因、これらをめぐる論争、そして2008年に向けての課題などを掘り下げて分析したもの。 2004年選挙において僅差で敗れた民主党の現状と課題を理解することは、アメリカの内政と外交、そして日米関係の行方の今後を占う上で極めて重要である。
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本書の問題関心は、ブッシュ政権を支えている共和党保守派に分析の対象を絞り、その背景、人脈、思想、政策などを説明することにある。なぜこの政権はこれほど保守的であるのか、そしてなぜその外交政策はこれほど強硬なのか。本書は、ブッシュ政権を国内政治的基盤から掘り下げて解明しようとする。 アメリカの外交政策を理解するためには、その国内政治的文脈や政治的支持基盤を的確に理解することがきわめて重要である。ブッシュ政権を、あるいはアメリカを、支持するにせよ批判するにせよ、対象についての冷静な分析と正確な理解こそがまず第一歩であるべきである。本書は、表面的な解説、底の浅い評論的なアメリカ物が多い中にあって、待望されていた本格的な分析書である。