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紹介文 「序章/高木誠一郎」より抜粋 冷戦期における米中関係は、朝鮮戦争による敵対関係の固定化、1960年代末から70年代初めの米中接近以降の対ソ「擬似同盟」の形成、80年代初めの中国の「自主独立」外交への転換を契機とする「戦略的三角関係」の形成といった劇的変化を経験しながらも、それぞれの時期におけるその基本的構図は比較的単純明快であったといってよい。しかしながら、冷戦後の米中関係は複数の協力要因と紛争要因が複雑に交錯し、その比重も一定しないきわめてわかりにくいものとなった。本書は、米国ないし中国を主な研究対象とする複数の専門家の協力によって、そのような複雑な関係の諸側面を構造的かつ動態的に分析することによって、現在の米中関係を理解するための基礎を提供しようと試みるものである。
冷戦終結後、大量破壊兵器とその運搬手段となるミサイルの拡散が、世界規模で考えるべき安全保障問題の重大な脅威の一つとなった。また、北朝鮮による2006年7月の弾道ミサイル連続発射や同年10月の地下核爆発実験は、日本をはじめ国際社会に大きな衝撃を与えた。ミサイルの脅威に日本はいかに対処すべきか。本書は、この喫緊の課題について、ミサイル防衛の諸々の側面を検討、分析したもの。日本が取り組もうとしている「ミサイル防衛」の実際と問題を理解するための必読の書。
イラク戦争後の湾岸アラブ諸国はどこに向かうのか。米国の民主化圧力と戦後イラク情勢の混迷、世界石油市場の激変。本書は、日本の中東研究者の最有力執筆陣が、政治的には君主制に立ち経済的には石油資源に依存する、これら湾岸諸国の抱える問題と今後の展望を、対米関係をふくめた総合的な角度で分析、考察したもの。エネルギー供給を圧倒的にこの地域に頼っている日本にとって、これら湾岸諸国の政治、経済情勢の「いまと明日」を理解することは死活の重要性をもっている。中東研究者や中東政策立案に携わるものにも、また広くこの地域に関心を持つ一般の読者にも必読の書である。[書評はこちら]
南アジアではソ連崩壊にともない、冷戦時代の「米・中・パキスタン」対「印・ソ」の対立の構図が解体、さらに9・11テロ後の米軍アフガニスタン侵攻による新たな国際環境の出現、中国とならぶインドの急速な台頭という激動期を迎えている。本書は日本国際問題研究所が南アジア研究の俊秀およびアメリカ、中国、ロシア関係の専門家を動員し、安全保障を軸にこの南アジア新情勢を多角的に分析し、将来を展望したもの。この地域と関係を深めようとしている日本の読者にとって必読の書である。
ソ連崩壊後の1992年、新生ロシアの国家建設が始まった。 しかしエリツィン大統領と議会は改革路線をめぐって激しく対立し、93年10月には遂に武力衝突に至った。 これに勝利したエリツィンは、93年12月に新憲法採択の国民投票と新議会選挙を実施し、その後、大統領選挙や議会選挙を経ながら議会との駆け引きのうちに新生ロシアの国家的基礎を築いた。そして今やプーチン大統領がそれを引き継いでいる。 本書は、このポスト共産主義ロシアの国家建設の過程を官報・議事録などの資料を用いながら詳細かつ実証的に分析する。
梅本 哲也 著