国際問題ウェビナー ご案内

『国際問題』発行から概ね1か月後を目途に、執筆者によるウェビナーを開催いたします。
特集全体を踏まえた執筆者間の議論をウェビナーで開催することにより、執筆時よりアップデートされた情報を提供でき、 読者の方々にとっても研究の一助・理解の深まりにつなげていただける機会となっております。

イベントの概要

国際問題ウェビナ―「ロシア・ウクライナ紛争における国際法の役割」を論じる

開催日 : 2023年1月24日(火) 17:00―18:15
申込締切: 2023年1月23日(月)
会場 : オンライン(Zoom)

登壇者:
柳原正治・放送大学特任栄誉教授(モデレーター)
 (巻頭言「百巻の万国公法は数門の大砲に若かず」は今でも妥当するか?)
山田哲也・南山大学教授
 (国際法からみた一方的分離独立と「併合」-ウクライナ東部・南部4州の法的地位-)
和仁健太郎・大阪大学教授
 (ロシアによるウクライナ軍事侵攻の合法性と国際社会の対応)
伊藤一頼・東京大学教授
 (ロシアに対する経済制裁と国際法)
酒井啓亘・京都大学教授
 (進行中の武力紛争と国際司法裁判所―ロシア・ウクライナ紛争にみる国際司法裁判の役割と限界―)
尾﨑久仁子・中央大学特任教授
 (ウクライナにおけるコア・クライム処罰の可能性)

 2023年1月の『国際問題』ウェビナーでは、「ロシア・ウクライナ紛争における国際法の役割」をテーマとする『国際問題』誌2022年12月号の著者が、それぞれの考察を踏まえて、執筆時以降の最新の動きや他の執筆者の分析との関連を含めて議論し、特集テーマをさらに深く掘り下げます。同号の主な論点は以下のとおりです。
 国際法秩序の危機とみなされる、ロシアによるウクライナ侵略という惨劇を目のあたりにしている現代の私たちが、「国際法の法燈」を守るために何ができるか、何をなすべきかを、創造的な観点から追究していくことは、困難であるが真剣に取り組むべき緊切な課題である。ルガンスク(ルハンスク)及びドネツク人民共和国についてのプーチン大統領の主張は国際法に反するものであり、ザポロジエ及びヘルソン地域を含むロシアへの併合宣言も国際法上正当化することはできず、いずれもウクライナの領土の一体性を損ねる違法な行為である。ロシアが援用していると考えられる武力行使正当化事由のいずれによってもロシアの軍事侵攻は国際法上正当化され得ない。交戦国への軍事援助の法的位置づけ、中立法が果たし得る機能も検討される。ロシアに対する経済制裁が条約や慣習国際法に違反しないかを検討することは、制裁を安定的に実施していくうえで重要であり、GATT、投資協定、国家免除や国家管轄権行使に関する慣習国際法、一般国際法上の対抗措置が検討される。国際司法裁判所は、訴訟当事者間の紛争解決のほか、自らの解釈や判断を国際社会に提示し、国際の平和と安全の維持に責任を負うグローバル・ガバナンスの担い手ともなる。武力紛争法・国際人道法、国際刑事法上の課題がある中で、紛争におけるいわゆるコア・クライムの訴追について概観し、犯罪の訴追についての今後の展望と課題について論じる。
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