国際問題ウェビナー ご案内

『国際問題』発行から概ね1か月後を目途に、執筆者によるウェビナーを開催いたします。
特集全体を踏まえた執筆者間の議論をウェビナーで開催することにより、執筆時よりアップデートされた情報を提供でき、 読者の方々にとっても研究の一助・理解の深まりにつなげていただける機会となっております。

イベントの概要

国際問題ウェビナ―「党大会後の習近平体制」を論じる

開催日 : 2023年3月15日(水) 15:00―16:15
申込締切: 2023年3月14日(火)
会場 : オンライン(Zoom)

登壇者:
 國分良成・前防衛大学校長、慶應義塾大学名誉教授(モデレータ―)
  (〔巻頭言〕中国・習近平体制の検証―第20回党大会への視座)
 小嶋華津子・慶應義塾大学教授
  (習近平のリーダーシップ構造とその変化に関する一考察)
 江藤名保子・学習院大学教授
  (「中国式民主」の現在地――政治体制の競争か、共存か)
 津上俊哉・日本国際問題研究所客員研究員
  (中国の成長戦略は再調整されるのか――3期目に入る習近平政権を待ち受ける経済課題)
 青山瑠妙・早稲田大学教授
  (「陣営化」する世界と中国のグローバル・サウス政策)
 宮本雄二・元駐中国特命全権大使、宮本アジア研究所代表
  (日中国交正常化50周年――建設的で安定した関係の再構築は可能か)

 3月の『国際問題』ウェビナーでは、「党大会後の習近平体制」をテーマとする『国際問題』誌2023年2月号の著者が、それぞれの考察を踏まえて、執筆時以降の最新の動きや他の執筆者の分析との関連を含めて議論し、特集テーマをさらに深く掘り下げます。同号の主な論点は以下のとおりです。
 中国政治の最大の弱点は、後継者を決めるルールが存在しないことである。今回の政治局常務委員人事も結局側近だけのインナーサークル人事であり、これらの現実は党内で習近平体制が必ずしも盤石ではないことを示唆しているように思われる。習近平政権は「中国的民主」白書を発表し、従来から繰り返す「中国には自国の国情にあった独自の民主主義が存在する」という主張の理論化を試みた。この議論の虚構性と外交上の有効性を論じる。中国経済はゼロコロナ政策による経済停滞という急性症と不動産問題というより深刻な慢性症を患っており、党大会で「二つの百周年」、「2035年までに1人当たりGDPを中等先進国並みに引き上げる」と謳った習近平3期目政権だが、実際には成長の持続が難しい局面に直面している。中国の現行の対外政策は改革開放後の全方位外交から著しく逸脱した。中国は同盟関係を作らずグローバル・サウス諸国との関係を強化しているが、こうした関係構築により、世界は今後民主主義対権威主義・独裁体制の戦いが顕著となるであろう。軍事安全保障の柱の重みが増す中、21世紀の現行国際秩序が地球的課題に対する協力を強く要請していることを想起し、外交、経済といった他の柱での協力と協働を強化し、日中関係のバランスを回復すべきである。それが日中が世界の平和と発展に貢献する路でもある。
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