出版

「国際問題」電子版 (ISSN:1881-0500) -最新号-

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2016年11月  No.656
電子版

 2014年6月、イラクの古都モスルが、後に「イスラーム国」(IS)を名乗る勢力により制圧されて以降、国際社会はその存在とそれに共鳴する世界各地の勢力や個人とどう向き合うかについて問われる時代に入ったとも言える。イラク戦争とシリア内戦の狭間でその勢力を蓄え、領域支配に及んだISは、近代国際社会の秩序への大きな挑戦とも捉えられる勢力として現われてきたのである。ISの出現は、周辺国や欧州への難民の流出を加速するだけでなく、欧州におけるテロ事件の発生などにもつながっている。しかし、米・欧・ロ・アラブ諸国など、国際社会はIS掃討を掲げつつもシリアのアサド政権への対応をめぐってより複雑な様相を呈してきた。
 その一方で、2015年7月のイランと米国など6ヵ国(米露中英仏独)による、核問題に関する「最終合意」は、オバマ米大統領の成果のひとつと評価されるだけでなく、新たな国際関係を生む重要な起点を提供するものとなった。一方、この「最終合意」をめぐるイランとサウジアラビアの緊張関係は、中東情勢全般への大きな影響が懸念される状況となっている。
 本特集は、今後のシリア情勢の展望も視野に入れつつ、中東のパワーバランスの変化を大局的に考察し、域内におけるサウジ、エジプト、トルコ、イランの役割と各国の政治情勢・対外政策について扱い、現在そして将来の中東情勢を複眼的に読み解くヒントを含む論考でまとめた。

焦点:「岐路に立つ中東の課題」

国際問題月表

<次号特集のお知らせ(2016年12月号)>
焦点:「深刻化する格差問題」(仮題)
※内容は変更となる場合があります。

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月刊『国際問題』電子版について
◆次号発刊まで一般ホームページで公開したのち、会員専用の「国際問題バックナンバー」に移します。
◆編集委員会:浦田秀次郎(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)、遠藤貢(東京大学 大学院総合文化研究科教授)、奥脇直也(明治大学法科大学院法務研究科専任教授)、古城佳子(東京大学大学院・総合文化研究科教授)、高橋伸夫(慶應義塾大学教授)、中山俊宏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授)、深川由起子(早稲田大学大学院経済学研究科教授) (50音字順)