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「国際問題」電子版 (ISSN:1881-0500) -最新号-

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2017年6月  No.662
電子版

 「難民の世紀」とも称される20世紀は2つの世界大戦を経て発生した「難民」に対し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の設立と「難民条約」による国際法上の位置づけにより、保護制度が確立した時代でもあった。また1990年代には、紛争下で自国内において難民状態となる「国内避難民」が大量発生した。さらに21世紀――2010年代になると、ISの誕生に大きな影響を受けたイスラーム主義に根ざした暴力的な動向が飛び火するかたちで、北アフリカ、サヘルアフリカなどの既存国家の脆弱性を強め、人々を国内外への移動流動へと押し出すようになってきた。近接する欧州諸国の安定と豊かさが「引き寄せ要因」となり、結果的に欧州における2015年来の「難民危機」現象を生み出すに至った。また、「難民」だけではなく、雇用機会を求める「移民」が移動流動する人々に混入し、「混合移動」といった現象を生じている。
 国際社会はこうした状況への対応を迫られると同時に、その対応のあり方そのものが国内政治上の大きな争点ともなっている。その意味において、現在の「難民問題」は極めて越境的かつ複合的な危機、あるいはグローバル・イシューとしての「難民問題」をとらえる視座が求められる段階にある。本特集では、そうした視点から「難民問題」の複合性を分析しつつ、欧州の対応と今後を考察し、「混合移動」の実態を視野に収め、日本における「難民政策」の課題も詳述した。

焦点:「難民問題」の現段階

<次号特集のお知らせ(2017年7・8月合併号)>
焦点:「世界は『トランプ革命』をどう見たか」(仮題)
※内容は変更となる場合があります。

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月刊『国際問題』電子版について
◆次号発刊まで一般ホームページで公開したのち、会員専用の「国際問題バックナンバー」に移します。
◆編集委員会:浦田秀次郎(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)、遠藤貢(東京大学 大学院総合文化研究科教授)、奥脇直也(明治大学法科大学院法務研究科専任教授)、古城佳子(東京大学大学院・総合文化研究科教授)、高橋伸夫(慶應義塾大学教授)、中山俊宏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授)、深川由起子(早稲田大学大学院経済学研究科教授) (50音字順)