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「国際問題」電子版 (ISSN:1881-0500) -最新号-

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2017年10月  No.665
電子版

 今年、設立50周年を迎えるASEANは東南アジアの平和と繁栄を目指し、加盟国を10ヵ国へと拡大し、ASEAN憲章の採択、ASEAN共同体の発足など、地域組織としての存在感を増してきた。冷戦後は、ASEAN自由貿易地域を実現して周辺国との自由貿易協定に積極的に取り組み、同時にASEAN地域フォーラムやASEAN+3などASEANを中心として日中韓、オーストラリア、ニュージーランドなどの周辺国のみならず米国、ロシア、インドなども含めた制度化を図りつつ、米中の駆け引きのなかでも中心的な役割を果たそうとしている。
 近年では、南シナ海における中国の積極的海洋政策をめぐる各国の対応に端的に表われているように、加盟国の対外政策の相違がASEANの求心力に影を落としつつある。こうした状況下で誕生したトランプ米政権の外交方針の変化は、ASEANおよび加盟国の外交にどのような影響を与えるだろうか。今年は福田ドクトリン40周年に当たり、日本外交にとってASEANとの協力はますます欠かせなくなっている点からも、ASEANの動向は注視する必要がある。
 本特集では、このように不透明な地域秩序においてASEANと主要加盟国の対外政策を検討する。まず、地域秩序形成に中心的な役割を担うことを目指すASEAN外交の課題を考察し、反米姿勢を示すドゥテルテ政権のフィリピン、経済優先政権と言われるインドネシアをとりあげる。最後に、トランプ政権誕生後のTPPの挫折によりRCEPへの関心が高まるなかでのASEANの市場統合に対する動向を検討する。

焦点:ASEAN外交と加盟国――中心性と求心力

<次号特集のお知らせ(2017年11月号)>
焦点:「外交における法の支配」(仮題)
※内容は変更となる場合があります。

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月刊『国際問題』電子版について
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◆編集委員会:遠藤貢(東京大学 大学院総合文化研究科教授)、奥脇直也(明治大学法科大学院法務研究科専任教授)、古城佳子(東京大学大学院・総合文化研究科教授)、高橋伸夫(慶應義塾大学教授)、中山俊宏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授)、深川由起子(早稲田大学大学院経済学研究科教授) (50音字順)