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「国際問題」電子版 (ISSN:1881-0500) -最新号-

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2017年5月 No.661
電子版

 日本人の視線は、南シナ海で領有権を主張し島嶼での埋め立て強行や飛行場建設などに代表される中国の「膨張」に縛り付けられ、中国の台頭を危険視している。だが世界を広く見渡せば、日本とは異なり、例えば、ヨーロッパの人々の視線はロシアの脅威やシリアなどからの難民に向けられている一方、成長する中国経済の好ましい波及効果にも向けられているのである。中国からの――物理的な、あるいは心理的な――距離に応じて、中国外交を見る眼は異なる。中国の外交については、均衡の取れた見方を心がけるのがよいであろうし、同時に言えることは、大国化する中国を動かすものは「不安」や「焦慮」ばかりではなく「自信」も動因だということである。
 本特集では、中国外交を従来とはいくらか異なった視点から眺めてみたい。注目するのは、二国間というより多国間で展開される、特定の地域に関わるというよりは複数の地域をまたいで展開される(あるいはグローバルに展開される)、さらには騒々しい議論を伴うというよりは比較的静かに、そして着実に展開される中国外交である。キーワードとなるのは「気候」、「宇宙」、「鉄道」、「人権」である。「宇宙」については、「外交」の領域に属さないと考えることもできるが、実際には中国の宇宙開発は、中央アジア、東南アジア、南米の諸国を巻き込んで進められており、その意味で本特集において取り上げる価値があろう。

焦点:中国外交の新しい展開

<次号特集のお知らせ(2017年6月号)>
焦点:「『難民問題』の現段階」(仮題)
※内容は変更となる場合があります。

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月刊『国際問題』電子版について
◆次号発刊まで一般ホームページで公開したのち、会員専用の「国際問題バックナンバー」に移します。
◆編集委員会:浦田秀次郎(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)、遠藤貢(東京大学 大学院総合文化研究科教授)、奥脇直也(明治大学法科大学院法務研究科専任教授)、古城佳子(東京大学大学院・総合文化研究科教授)、高橋伸夫(慶應義塾大学教授)、中山俊宏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授)、深川由起子(早稲田大学大学院経済学研究科教授) (50音字順)