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「国際問題」電子版 (ISSN:1881-0500) -最新号-

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2018年10月 No.675
電子版

 西洋にとっての近代は、政治と宗教を分離するプロセスであった。しかし現在、宗教と国際政治は切っても切り離せない関係にある。スナイダーは『宗教と国際関係理論』のなかで、宗教が国際関係の基本的なパターンを大きく変容させる可能性を指摘し、従来の国際政治理論ではその変容を対象化するのは難しいとしている。その変容は、第一義的には多くの国において、宗教の影響力が増大し外交政策にも影響を及ぼすことである。トランプ政権による、在イスラエル米大使館のエルサレムへの移転はその一例だろう。
 宗教をめぐる世界的な構図も大きく変容しつつある。キリスト教はますます「グローバル・サウス」の信仰となり、グローバリゼーションによって宗教的ディアスポラの影響力も高まっている。このような傾向が進展していくと、今後、アフリカからの先進国への移民の多くは、ペンテコステ派など福音派が多数を占めるようになるとの見方さえある。頻発する国内紛争を考えるにあたっても宗教は無視できない要素になっている。
 本特集では、国別に語られることはあってもまとめて語られることはあまりない、信仰をめぐるグローバルな状況を取り上げる。まず、いくつか特徴的な事例を取り上げ、宗教と国際政治の関係を改めて考え直すきっかけとしたい。なお、イスラム原理主義/イスラム国については、すでに数多くの論稿があるのであえて取り上げていない。

焦点:宗教と国際政治

国際問題月表

<次号特集のお知らせ(2018年11月号)>
焦点:「『選挙権威主義』の諸相」(仮題)
※内容は変更となる場合があります。

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◆編集委員会:遠藤貢(東京大学 大学院総合文化研究科教授)、奥脇直也(明治大学法科大学院法務研究科専任教授)、古城佳子(東京大学大学院・総合文化研究科教授)、高橋伸夫(慶應義塾大学教授)、中山俊宏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授)、深川由起子(早稲田大学大学院経済学研究科教授) (50音字順)