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「国際問題」電子版 (ISSN:1881-0500) -最新号-

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2018年11月 No.676
電子版

 今日の国際社会における政治体制の大きな傾向のひとつに、選挙によって有権者に選ばれた政治の強権化(強権政治)を挙げられる。冷戦終焉以降の世界における民主化の潮流のなかで出現している現象でもあるが、そこには2つの側面が複雑に絡まって生じているとも解釈できる。
 1つ目は、学術的には「競争的権威主義」や「選挙権威主義」といったかたちで評価される選挙の実施過程にかかわる課題に関連して生起している側面である。すなわち、これらの概念化がされる背景には、選挙が「自由で公正」とは言えないかたちで実施されており、そうした選挙にかかわるガバナンスの問題がある。また、あらかじめ「選択なき選択」の下での投票を余儀なくされているケースも数えられる。
 もう1つは、支配の正当性を選挙での勝利と世論調査で示されるような高い支持率を根拠とする、いわゆる「ポピュリズム」の側面である。特に大統領を直接選挙で選ぶ制度設計のもとでは、さまざまな既得権益層に対する有権者の不満を背景として、不満を票に転換するという手続きを経て、政権の座に着くケースも散見される。
 本特集では、世界のいくつかの近年の事例を検討することを通じて、一定程度民主的とされる選挙の手続きを経て生み出されている強権政治の現状を検討し、今日的な民主主義の課題を明らかにすることを狙いとする。

焦点:「選挙権威主義」の諸相

国際問題月表

<次号特集のお知らせ(2018年12月号)>
焦点:「岐路に立つ自由貿易」(仮題)
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◆編集委員会:遠藤貢(東京大学 大学院総合文化研究科教授)、奥脇直也(明治大学法科大学院法務研究科専任教授)、古城佳子(東京大学大学院・総合文化研究科教授)、高橋伸夫(慶應義塾大学教授)、中山俊宏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授)、深川由起子(早稲田大学大学院経済学研究科教授) (50音字順)