出版

「国際問題」電子版 (ISSN:1881-0500) -最新号-

1·2
2017年1·2月合併号 No.658
電子版

 近年、安全保障という概念それ自体が大きく変容している。その要因として、まず挙げられるのは空間的変容である。三軍に対応する陸・海・空という物理的な空間に加え、いまや非物理的な空間であるサイバー空間および大気圏外(宇宙)という領域が不可欠な空間として組み込まれるに至った。
 次にアクターという観点からみれば、テロリズムが国家そのものを脅かす安全保障上の脅威として認識されている。さらに、ロシアがウクライナで実行した「ハイブリッド戦争」のように、平和と戦争の間の境界線が不明確な状況を創り出すことを目的とするアクションもあり、安全保障に対するアプローチを大きく揺さぶっている。
 技術の問題も無視できない。近年はデュアルユース・テクノロジーによって民間のイノベーションが軍に先行するかたちになり、今後の軍事テクノロジーがどのように戦争のあり方を変えていくか不透明になってきた。そのため米軍は軍事的優位を維持するための生命線と目されている「オフセット戦略」を導入し、その結果、従来の戦闘機モデルは放棄され、第五世代以降は無人機になる可能性が高い。
 本特集では、急激に変容する技術と安全保障問題の全体像、さらにその実態を捉える手掛かりとして、空間的変容、無人化の問題、ハイブリッド戦争、そしてオフセット戦略についての論考を掲載する。

焦点:安全保障と技術の新展開

<次号特集のお知らせ(2017年3月号)>
焦点:「南シナ海比中仲裁後のアジアの海」(仮題)
※内容は変更となる場合があります。

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月刊『国際問題』電子版について
◆次号発刊まで一般ホームページで公開したのち、会員専用の「国際問題バックナンバー」に移します。
◆編集委員会:浦田秀次郎(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)、遠藤貢(東京大学 大学院総合文化研究科教授)、奥脇直也(明治大学法科大学院法務研究科専任教授)、古城佳子(東京大学大学院・総合文化研究科教授)、高橋伸夫(慶應義塾大学教授)、中山俊宏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授)、深川由起子(早稲田大学大学院経済学研究科教授) (50音字順)