出版
日本経済新聞 2004年10月17日付 朝刊23面 |
『G・W・ブッシュ政権とアメリカの保守勢力−共和党の分析』
同志社大学助教授 村田 晃嗣
同志社大学助教授 村田 晃嗣
まず、日本のアメリカ研究者の手になるものとして、久保文明編『G・W・ブッシュ政権とアメリカの保守勢力−共和党の分析』
(日本国際問題研究所、2003年)がある。編者をはじめ、執筆者の多くが、日本の第一線で活躍する研究者やジャーナリストで
ある。本書は、ブッシュ大統領個人ではなく、彼を支える政権とその背後にある政治勢力を、人脈や思想、政策などを多角的な
観点から分析している。本書を通じて、「ネオコン」(新保守主義)の一語では語り尽くせない、アメリカの多様な政治地図が
浮かび上がってくる。大統領の権力は絶大だが、多元的な民主主義社会にあって、それは様々な政治勢力の合従連衡の上に乗っ
たデリケートな権力でもあるのである。
(本文より一部抜粋)