特集 CSCAP
CSCAP(アジア太平洋安全保障協力会議)とは =Council for Security Cooperation in the Asia Pacific
【設立の経緯・目的】 アジア太平洋安全保障協力会議(CSCAP)は、1991年以来、アジア太平洋地域の学者、政府関係者を交えた数次の会合を経て、この地域の信頼醸成と安全保障措置のあり方を検討するための恒常的で組織的な「トラック(監)」の枠組みを提供することを目的に、1994年6月、クアラルンプールにおいて設立された国際機関である。 安全保障に関わる諸問題についての研究・調査活動を通じて、この地域の「安全保障コミュニティ」づくりに貢献するとともに、「ASEAN地域フォーラム」など、政府レベルの活動に対して政策を提言することも活動の目的の一つとしている。 【メンバー委員会】 CSCAPは憲章上、各メンバーが委員会を形成して加盟することになっており、10ヵ国(ブルネイとベトナムを除くASEAN5ヵ国、日本、韓国、米国、カナダ、豪州)の研究所を創立メンバーとして発足した。その後、ニュージーランド(94年6月)、ロシア(94年12月)、北朝鮮(94年12月)、モンゴル(96年6月)、ベトナム(96年12月)、中国(96年12月)、EU(98年12月)が正式加盟し、2000年6月の国際運営委員会において、インド(94年12月より準メンバー)、パプア・ニューギニアおよびカンボジアが新たに正式加盟した。なお、台湾については専門家の個人の資格による作業部会へのオブザーバー参加が認められている。 【活動概要】 CSCAPの主要機関としては、最高の意思決定を行う国際運営委員会が毎年6月と12月に開催されている。2000年12月現在、国際運営委員会の共同議長はデスモンド・ボール教授(CSCAP豪州委員会)とカロリナ・ヘルナンデス教授(CSCAPフィリピン委員会)が務めている。また、原則として2年に1回、総会が行われることになっている(第1回:1997年6月[於シンガポール]、第2回:1999年12月[於ソウル])。 その他に具体的な活動としては、政策指向型の調査・研究を行う作業部会を随時開催し、研究報告や政策提言をまとめている。現時点での作業部会は5つである。なお、中央事務局は現在マレーシアの戦略国際問題研究所内に設置されている。
〔CSCAPの作業部会〕