イラク戦争後の復興及び人道支援を担当すべく、イラク戦争開戦前の2003年1月末に設置。国防総省主管。すでに本体は、クウェート入りしている。
国防総省系の関係者を中心に、国務省、USAID系の人脈によって構成されている。形式的には、連合諸国間(コアリション)の取組であり、英国の文民も参加しているが、実質的に米国主導。ジェイ・ガーナー(Jay
Garner)陸軍少将(退役)が率い、フランクス中央軍司令官に報告義務を負う。
ORHAは、内外のイラク人の協力を得て、実質的にポスト・フセインのイラク暫定政権の核を形成する役割を担うと目されている。復興、人道支援、文民統治の3部門に分かれ、イラクを南、中央、北の3地域に分けて施策を検討する方針。
2003年4月現在、イラクの復興をめぐって国防総省と国務省との間に思惑のずれがあり、ORHAの構成員をめぐって、これを国防総省主導とするか、国務省主導とするかで意見の相違があった。現在のところ、国防総省主導で動いている感は否めない。国防総省は、国際社会の関与を自己目的化するのではなく、むしろミッションの実効的な貫徹を目指す方針をとっている。
ORHAの活動期間がどの程度におよぶかはいまだ不明。ガーナー自身は90日と発言しているが、ウォルフォウィッツ国防副長官は、新政府の樹立には6ヵ月程度要すると発言している。ガーナー少将は、1991年にイラク北部のクルド人地域における支援を3ヵ月という短い間ではあったが担当した経歴をもち、地元住民からも高い評価を得た実績がある。ラムズフェルド国防長官と個人的にも近い関係にあり、クリントン政権下でミサイル防衛プログラム等を担当。1997年に退役。
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