JIIAフォーラム講演要旨

2006年5月30日
都内ホテル・ニューオータニ
  

ウィンストン・ピーターズ
ニュージーランド外務大臣

「日本とニュージーランド:アジア太平洋地域における協力」

日本とニュージーランドはアジア太平洋地域の平和と繁栄のために働くパートナーである。日本と同じく、我が国は北朝鮮の核問題の平和的解決を望んでおり、6カ国協議のプロセスを全面的に支持している。北アジア諸国が安定的関係を維持することは、アジア太平洋地域の戦略面及び経済面の健全性に必要不可欠であり、関係国が違いを乗り越えて発展することを望んでいる。

日本とニュージーランドは共に協調的で法に則った問題解決に重点を置く国であり、両国はASEAN地域フォーラム(ARF)において、予防外交の概念に基づくフォーラムの発展のために一致協力している。

昨年の東アジアサミットは地域協力の促進について新しい一歩となった。これにより我が国と東アジアが新しい関係に入ったともいえる。我が国は日本同様、同サミットは東アジア共同体構築の基本的な基盤であるという見解を持っている。日本の経済産業省がサミット参加国16カ国との自由貿易協定を検討していることは、サミットの発展のために興味深い。

我が国にとっては、東アジアサミット参加国との通商はニュージーランド貿易の半分以上を占め、我が国への留学生の80% 及び旅行客の50%以上が同参加国からであり、極めて関係は深いが、APECというより広範な地域の枠組みにおいて米国の同地域との協力関係を維持していくことも極めて重要であると考える。

沖縄で開催された太平洋・島サミットに参加してきたばかりだが、日本の同地域との協力関係が再認識され、より強化される機会となったことを歓迎している。太平洋諸島フォーラムの枠組みにおいて、日本とニュージーランドを含む同フォーラム諸国が協力してくことを確認できた。我が国はソロモン諸島やパプア・ニューギニア等、太平洋諸国支援を促進してきており、我が国ODA予算の大半は同諸国への援助に充てられている。

ニュージーランドは日本が国連の拡大安保理の常任理事国となることを支持しており、日本と協力して国連の効率性と信頼性の強化のために働いていく考えである。両国はこれまでも極めて良好な関係を維持してきたが、今後も一層の協力関係を発展させていくことが望まれる

以 上